キミは許婚


「お前そんなこと一言も言わなかったじゃねぇか!」


「だってあたしも今気付いたの! 高い所、苦手だったけどいつもは大丈夫だったから……」



ガラス張りのエレベーターも、小さい頃乗った観覧車も、高くて恐いな、なんて思ってたけど、動けなくなるほど恐いと思ったことはない。



「ったく……なんでだよ。止まってるせいか?」


「わ、わかんないよ……」



自分の意に反してカタカタと小刻みに震える身体。


恐がっていることを自覚するとさらに恐怖心が強くなった。
< 165 / 533 >

この作品をシェア

pagetop