キミは許婚
「お前そんなこと一言も言わなかったじゃねぇか!」
「だってあたしも今気付いたの! 高い所、苦手だったけどいつもは大丈夫だったから……」
ガラス張りのエレベーターも、小さい頃乗った観覧車も、高くて恐いな、なんて思ってたけど、動けなくなるほど恐いと思ったことはない。
「ったく……なんでだよ。止まってるせいか?」
「わ、わかんないよ……」
自分の意に反してカタカタと小刻みに震える身体。
恐がっていることを自覚するとさらに恐怖心が強くなった。