キミは許婚


「明、お前も景色を楽しめよ。係員のあの様子じゃいつ動きだすかわかんねぇぞ?」


「……いい」


「こんな時まで俺に反発するのか?」


「そうじゃなくて……無理なの!」



床に座りこんだまま、椅子に座り直すことさえできないあたしを聖は目を丸くして見ていた。



そして何かに気付いたように聞いてきた。



「……明、高所恐怖症?」



その問いかけに、あたしは声もなく頷いた。
< 164 / 533 >

この作品をシェア

pagetop