キミは許婚
「何だ? なんか不満でもあるのか?」
「え……?」
黙りこんでいるあたしを聖が覗きこんでくる。
狭い車内じゃこれ以上近づかれると逃げ場がない。
「な、ないよ! ないから近づかないで!」
「なんだよ。観覧車の時は可愛くすがってきたのに」
「すがってなんか……! ただ、ちょっと教えてくれても良かったんじゃないかなって思っただけ!」
「あぁ、合併の話は明と出会う前から進んでた話だから、明に話す必要はないと判断した」
……そういうの、独断って言わない?