キミは許婚
「あぁ、でも一つだけ報告しておくよ。未来の妻に」
「……何?」
言葉に引っかかりはあったけど突っ込まずに聞いた。
聖が……余りにも真剣な顔をしていたから。
「合併の話。正直こじれてる」
「そうなの!? 何が原因?」
「俺が社長ということが」
聖が社長じゃ……ダメだってこと?
「合併は吸収合併で、上条不動産が別会社を吸収する予定なんだ。
だから通常だと俺が社長なんだ」
「じゃぁ問題ないんじゃないの?」
「取締役会は大丈夫だったんだけど……株主の方でもめてて……」
聖は窓の淵に頬杖をついて、遠くを見るように外を眺めてポツリポツリと話してくれた。