キミは許婚
父の優しい問いかけに思わずあたしも素直になる。
「あたし、哲太と彼女が一緒にいるの見て……なんか嫌だった」
彼女がいるなんて知らなかったからショックだった、とか
彼女を見たくない、とか
聖を紹介したくい、とかいろんな思いがあったけど……
「なんとも言えないけど……悲しくて……泣いちゃったよ」
少し落ち着いてから考えてみると残った感情は悲しい、寂しいっていう気持ち。
「明は何も聞かされていなかったのか?」
「哲太に彼女がいるなんて初めて聞いた。あれだけ一緒にいたのに……」
「ふむ……」
あたしの気持ちを一通り聞いた父はふくよかな顎を撫でながら頷いた。