キミは許婚


ガツンと頭を殴られたような衝撃に打ちのめされていると柚野さんは言葉を続けてきた。



「彼は5分くらい待たされるのがベストなんです」


「べ、ベスト……?」


「彼は女性より早く待ち合わせ場所に居たいんです。かと言って待たされ過ぎるとイライラしてくる……」


「……自分勝手ですね」


「えぇ、本当に自分勝手ですよね。だから5分遅れが丁度いいんです」



柚野さんは、もう慣れました、という諦めの笑みを浮かべつつ車を店の前で止めた。



到着した先は著名人御用達で有名な会員制の料亭。


父から何度か話は聞いたことがあるけれどあたしはまだ行ったことがない所だった。
< 240 / 533 >

この作品をシェア

pagetop