キミは許婚


小さくなる車を目の端で捕えながらも、門をくぐり終えると女将さんが立っていた。


聖と約束していることを告げると、庭園を囲う塀の一つを動かし個室へとつながる道へ案内してくれた。



「わ……すごい。隠し扉なんだ……」


「あちらで上条さまがお待ちです」



美しい顔で愛想よく笑顔で案内してくれる女将さん。


動いた塀の奥にはまた庭園が広がっていて、一つだけ小さな建物が見えた。


個室か何かかと思ったら……一角を貸し切ってるなんて。



それほど週刊誌に気を使ってるっていうの?


……それとも……聖のことだからやましい考えが!?



途端に肩へ力が入ってしまう。
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