キミは許婚
料理はすぐに運ばれてきた。
キラキラと輝くお刺身。
色鮮やかな器に盛られた揚げ物や温かいお吸い物。
豪華な懐石を目の前にして普段なら心が躍るはずなのに……真正面に見据えた聖が気になってお箸に手が伸びない。
食べられるのを見られるわけじゃないけど、ちょっと緊張する。
哲太の前だったら何も気にせず食べられたのに……聖の前だと何かを意識してしまう。
聖は食べないのかな?
上目遣いで聖の様子を覗き見ると、疲れているのか、ネクタイを緩めて小さく息を吐いた。
「……あ!」
「どうした、明?」
聖が疲れてて、強引さも控えめということは何かあったということ。
そして……聖に何かあるとしたら会社の合併しかないじゃん!