キミは許婚


「ねぇ、なんで柚野さんにあんなに時間通りにって強調して言ってたの?」


「……そこも聞いてたのか」


「しかも変なマネするなって……柚野さんが変なことするわけないでしょ?」


「……そこもか。お前は爽の正体をまだわかってないな」



今度は苦い顔じゃなくて呆れたような顔をしてため息をついた。



……なんで?


そりゃ柚野さんとはまだ二回目しか会ってないけど。


待ち合わせの時間はぴったりだったり、渋滞の予測まで出来ちゃう真面目で気がきく秘書でしょ?



表面上は低姿勢。


柔らかい笑顔の持ち主。


……本心は計り知れないけど。


それでも一応見抜いてたはずなんだけどな。



「まだわかんねぇのか」



聖がそう言ったと同時に壁へ追いつめられる。
< 262 / 533 >

この作品をシェア

pagetop