キミは許婚


「は、はい! 佐原です!」


「柚野です。二時間経ちましたのでお迎えにあがりました」



さっきまで興奮状態だったあたしの心臓が、柚野さんの声を聞いて落ち着いていく。



柚野さんの声だから、というよりは聖の声じゃないから……の方が正しいのだろうけど。



聖の声は心臓に悪い……。



そんなこと思っているのを知ってか知らずか、聖があたしに近づいてきて「貸せ」と、携帯を取り上げた。
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