キミは許婚
ふいに聖と柚野さんの会話が頭に浮かんだ。
『私は気が利く秘書なんです』
……あれもそういうこと!?
っていうことは迎えを一時間遅らせようとしたのって……!
「でも社長のことですから、最後には我慢できなくなってたでしょう?」
「……キスされましたよ!」
「私が一時間遅れていれば……キスで済んでいなかったでしょうね」
やっぱり!!
怒りと驚きで、口をパクパクしたまま、瞬きを何度も繰り返すあたしを見て、柚野さんはクスッと軽く笑った。