キミは許婚


「しかしまさか聖から電話があるとは思わなかったな……」



柚野さんが窓に向かって独り言のように呟く。


よく聞こえなくて「え?」と聞き返すと「何でもありません」と微笑みのオマケ付きで返された。



「ただ……明さまはすごく大事にされていらっしゃるな、と思いまして」


「そ、そうですか? 全くそんな気はしてませんが」


「無自覚とは罪ですね。聖はあなたを大事にしている証拠に抱いていないじゃないですか」


「でもさっきも言いましたけど、ちょっと危なかったんですよ!? 

あそこで柚野さんが来てくれたから……って……あっ!」



もしかして……聖があれほど柚野さんにちゃんと時間通りに来いって言ってたのは、自分のストッパーになってもらうため?



あたしの頭に浮かんだことを読み取ったのか、柚野さんがクスリと笑う気配があった。
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