キミは許婚


「哲太!」


「……明?」



車から降りて、哲太の元へ駆け寄る。



「明、どうしたんだよ。夜遅くにこんなところで……あ、上条社長?」



哲太が遠ざかる車の方を見ながら確かめてくる。



「あ……うん、送ってくれたのは秘書の人だけど……」


「へぇ、なんだかんだで仲良くやってんだ! いやぁ良かったよ」



哲太は暗闇にミスマッチな太陽みたいに明るい笑顔であたしの頭をポンポンと軽く撫でた。



哲太……本当に嬉しく思ってくれてる。



「そっか、デートだから大人っぽい格好してるんだ! 似合ってるよ」


「そういう哲太も。いつもと雰囲気違うよ? デートだったの?」


「まぁな。今日は二人とも時間あったから……ちょっとだけだけど」



哲太は照れくさそうに頭を掻いた。
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