キミは許婚


『食事をしていた女性は確かに社長の娘さんです』



あ……聖、質問に答えるんだ。


固唾を飲んで、続く聖の言葉を待った。



『しかし……ただ食事をしただけです』



隣に立っている社長は少しだけ渋い顔をしていた。


でも、その顔がより一層渋くなるのはこれからだった。



『食事の内容も大変つまらないものでした』



…………え?


聖の本性を知っているあたしでさえ一瞬目が点になったのに、


報道陣やテレビの前の視聴者なんてきっと幻聴だと思っているだろう。



だけど幻聴ではなくて、紛れもなく聖の発した言葉。

< 368 / 533 >

この作品をシェア

pagetop