キミは許婚


『発表はしておりませんが、私には大切な女性がいます。

その女性のためなら、副社長にでもなってやりますよ』



ドキリ、と心臓が高鳴って、そこで止まる。



息さえも忘れてしまう。


だって……こんなに堂々と宣言するなんて。



テレビに出てるんだよ?


これ、全国放送でしかも生で、電波と言う目には見えないもので流れちゃってるんだよ!?



報道陣が「オォッ!」という驚きと感嘆交じりの声を上げている。


社長は目を見開いたまま、聖をただ見ることしかできていなかった。



あたしも心境は違えど社長と同じ状態。


母は興奮混じりの黄色い声を上げ、父は頷きながら顎をさすっている。

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