キミは許婚
「待ってろよ、明…………ですってぇ~!!」
母の悲鳴に近い嬉々とした声が耳に響く。
わかるよ、その興奮する気持ち。
でもちょっと……あたしには騒げるほどの力がない。
だって……これ、心臓打ち抜かれて、骨抜き状態なんだもん!
「粋なことをする。前からわかっていたが、やはりなかなかの度胸だな……」
父は冷静に値踏みしている。
あたしはただただ、火照った身体が冷めていくのを待つばかりだった。