キミは許婚


「許婚の話は無くなったの」



あたしは息を吐きながら肩を落として、ハッキリと哲太に言った。



「えぇ!? なんで? 許婚だろ!? それにテレビであれだけアピールしてたじゃん!」


「許婚の話はお父さんが断ったの! テレビでどう言ってたって……連絡が来ないんだから!」




そんなの恋人でも友達でもなんでもないよ。


ましてや婚約者なんてもんじゃない。



結婚を約束した二人なら……なんでも話し合えるもんじゃないの?




唇を噛んで涙をこらえようとしたけれど、湧き上がる想いには勝てなかった。

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