キミは許婚


あたしの涙を見た哲太はさらに焦ったように、


「め、明! なんで泣いてんだよ! わかった! お、俺が悪かった! な?」


あたしに「泣き止んで」と眉を寄せながら懇願してきた。



謝られても別に哲太が悪いわけではない。


強いて言えばタイミング。



前も聖が週刊誌に載って、あたしの心境が複雑な時に現れたし……。


実はタイミング見計らってるの?って思っちゃうよ。



しかも聖から連絡がなくて落ち込んでいるあたしに、聖の話題を振ったこともまずかった。


連絡の有無は哲太にはわからないことだろうけど。



哲太はハンカチを探したり、あたしの顔を覗きこんでみたりとアタフタしている。


そして頭を掻きながら困ったように呟いた。

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