キミは許婚


「……は!?」



哲太はあたしの顔を見て目を丸くしている。



「だから三十路に突入して、お嫁に行ってなかったら、哲太がもらってね!」


「……えぇ!? ちょ、ちょっと待て! それまで俺も結婚できねぇって話か!? おい、明!」



あたしは、哲太があたしを問いただすために伸ばした手を振り切り、短大に向けて走り出した。



「諦めるなよ! 明っ!」



遠くで叫んでいる哲太の声が聞こえる。


恥ずかしい奴。



……ありがとう。




でも……今はそういう前向きな考え……聞きたくないよ……。
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