キミは許婚
「そんな……誰かもわからない人と誕生日のお祝いなんて嫌だよ」
「そうは言っても……お父さんがどうしても会わせたいって言うのよぉ。ごめんね?」
口を尖らせて不満を口にするあたしを、母は優しくなだめてくれた。
会社でもそうだが、家でも絶対権力の父。
優しいとは言え、自分が決めたことは貫き通す性格だから……きっとあたしが嫌がっても現況は変わらないだろう。
「わかった……とりあえず……リビングにいる……」
頭を放心状態にしながらも、リビングに行ってテレビを付けた。
テレビでは夜の報道番組が始まっており、今日一日であった出来事を振り返っている。