キミは許婚
「も~! 鍵、開いてるよ!!」
ふて腐れた顔をしながら開けた玄関の扉。
視線を上げてすぐ表情が一変したことは言うまでもない。
「未来の旦那様が来たっていうのに……その出迎えは何だ?」
「……え……ひ、ひじ……り……?」
父だと思って見上げた先には父よりも小顔で、鼻筋が通り、漆黒の瞳を光らせた聖がいた。
手には香り立つバラの花束を抱えている。
深い紅の色が聖の黒いスーツに栄えていた。
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