キミは許婚
そうだ。
その話も聞かせてもらう予定だったのに……
すっかり、新会社のことや海外生活のことに気をとられて頭から抜け落ちていた。
だから……あたしが質問を並べた時、聖は悲しそうな、納得のいかないような、複雑な顔をしていたのかな?
でも気付いた時には遅かった。
「明、質問はもう締め切ったぞ?」
ニヤリ、と口の端を上げる聖。
「き……今日なら答えるって言ってたじゃん!」
「全部か? って聞いて全部と答えたのは明だろう」
「う~…………」
聖はあたしの顔を覗きこむように上目遣いで意地悪そうに見てくる。