キミは許婚
「入るな! ここは、し……」
ドアノブを掴んでいた手を聖に制された。
し……?
聖の言葉も気になったけど、何より気になるのはその焦りよう。
やっぱりあたしがまだ踏み込んじゃいけない領域があった?
「あ、ごめん……聖」
「……コーヒー入れてやる。リビング戻るぞ」
聖は頭をくしゃりと掻いてため息まじりに歩き出した。
あたし……夜景というより、初めて入った聖のテリトリーに興奮しすぎてた。
気分を重たくしながらあたしもリビングへ戻ることにした。