キミは許婚
「待って! きっと何かの間違いだよ!
だってお父さんもお母さんも記憶にないって言ってたから!」
「おかしいな。俺は後から佐原社長を訪ねて会社へ行ったが、その時に自宅へ伺ったと話したぞ」
……お父さん!! もしかして忘れちゃった!?
どこまで忘れっぽい性格してるの!?
「で、でもあたし記憶にないよ?」
「明は……あの時、泣き腫らした目をしてたから……俺と出会う前に何かあったんじゃないのか?
不本意だが、そのショックのせいで俺との出会いなんて忘れたんだろ。本当に不本意だが」
そんなに不本意を強調しなくても。
――――三年前のショックな出来事。
あたしは懸命に記憶を思い返してみる……。