キミは許婚



深い眠りから目を覚まし、時計を確認すると朝の十時だった。


遮光カーテンが引かれた窓からは一切光が差し込まず、部屋の中は夜のままだった。



そして体勢も。


あたしは相変わらず聖の腕の中……。



腕の中で顔をゆっくり動かし、聖の顔を盗み見る。



長いまつげに伏せられたまぶた。


静かに寝息を立てている。



以前だったら「綺麗」と思う寝顔だけど、今は「可愛い」と思えてしまう。



昨日、完全に抱かれていただけだったけど「あぁ、あたしもこの人を包み込みたい」ってすごく思った。
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