キミは許婚


無我夢中でしたことだから、うまく手の平が当たらず爪で引っ掻いてしまったようで、

上条さんの頬からはうっすらと血が滲んでいた。



「お前……俺がこれから何の仕事をするか知っているか?」


「しっ……知りません! そんなこと!!」


「テレビの生放送だ! 顔に傷でも付いたらどうなるかわかってるんだろうな?」


「……あの、もう付いちゃいました……」


「……!」



……そっか。


血が流れるほどじゃないから自分じゃわからないよね。



上条さんの顔には赤く伸びたミミズ腫れ。


顔……だから、バッチリテレビに映っちゃうよね。
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