テディベアは裏切らない
その時、レナちゃんが教室に入ってきたので、ユウちゃんは逃げるようにその場から去った。私が、私の過去をレナちゃんやほたるちゃんに隠していること、なにより、それはわざわざ他人に言い触れることじゃないと、ユウちゃんもよくわかっているから。

ただそれでも、レナちゃんが入ってきたのとは反対のドアを抜ける時、彼女は私をもう一度振り返り、「ぜったいに諦めない」と、目で訴えていた。

彼女の決心は、とても固い。壮馬くんが私を諦めないように。

そして、私が彼女への贖罪をやめないように。




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