テディベアは裏切らない
レナちゃんを置き去りにして、くるりときびすを返す。
その私の正面に、
「なにが諦めてさ。ふざけんじゃないよ」
いったいいつの間にやって来たんだろう。ほたるちゃんが立ちはだかった。
背後で、レナちゃんが慌てた。カチチチキ、とカッターが勢いよくしまわれる音。ほたるちゃんはレナちゃんが完璧に自傷をやめたと思っているんだから、それを見られるわけにはいかないのだろうけど……遅いよ。ほたるちゃんはもう、とても苦い顔をしていた。ジッとレナちゃんを見て、奥歯を噛み締めて、少し震えていた。握り締めている拳が振るわれそうで、少し怖いくらい。だけど、レナちゃんにはなにも言わず、ゆっくり私のほうへ視線を移す。
「ごめん小百合、あたし、今の聞いてた」
「……どの辺りから?」
「小百合が、中学ン時にひと殺したってとこから」
「ふうん」
じゃあ、ちょうどに肝心なところから聞いてたんだ。
秘密は意外とあっさりばれてしまうものなんだな思いながら、私は後ろ手を組み、横に移動した。私とほたるちゃんとレナちゃんの立ち位置で、三角形が描ける。
「それで、ほたるちゃんも私の抱えてることを聞きたいの? ううん、もう聞いたんだよね。じゃあ、レナちゃんと同じ質問したら、ほたるちゃんは答えられるかな? ね、どうかな?」
その私の正面に、
「なにが諦めてさ。ふざけんじゃないよ」
いったいいつの間にやって来たんだろう。ほたるちゃんが立ちはだかった。
背後で、レナちゃんが慌てた。カチチチキ、とカッターが勢いよくしまわれる音。ほたるちゃんはレナちゃんが完璧に自傷をやめたと思っているんだから、それを見られるわけにはいかないのだろうけど……遅いよ。ほたるちゃんはもう、とても苦い顔をしていた。ジッとレナちゃんを見て、奥歯を噛み締めて、少し震えていた。握り締めている拳が振るわれそうで、少し怖いくらい。だけど、レナちゃんにはなにも言わず、ゆっくり私のほうへ視線を移す。
「ごめん小百合、あたし、今の聞いてた」
「……どの辺りから?」
「小百合が、中学ン時にひと殺したってとこから」
「ふうん」
じゃあ、ちょうどに肝心なところから聞いてたんだ。
秘密は意外とあっさりばれてしまうものなんだな思いながら、私は後ろ手を組み、横に移動した。私とほたるちゃんとレナちゃんの立ち位置で、三角形が描ける。
「それで、ほたるちゃんも私の抱えてることを聞きたいの? ううん、もう聞いたんだよね。じゃあ、レナちゃんと同じ質問したら、ほたるちゃんは答えられるかな? ね、どうかな?」