テディベアは裏切らない
自分でも意地悪だってことはわかってる。そして、ほたるちゃんの顔が無力感に歪んでいくのもわかる。ほたるちゃんは喧嘩は強いよ。女の子なのに男の子に勝てるよ。でもね、そういう強さは、私の前じゃ役に立たない。その無力感を、本人が一番わかってる。だから握り締めた拳が行き場を失って、震える。

私はあえて、レナちゃんに言ったようなことは、繰り返さなかった。もう一度、息を抜くように、笑う。

「それでいいんだよ、ほたるちゃん。ね、力抜いて。……レナちゃんも。あのね、人の悩みを聞いたって、どうにもできないよ? 特に私はそう。聞いてほしくないし、レナちゃんやほたるちゃんに相談したところで、解決するとも思ってない。放っといてくれるのが一番なんだから」


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