テディベアは裏切らない
♪
三階まで戻ると、そこにはユウちゃんが待っていた。
私は、後ろ手を組んだまま、上を見上げる。折り返っていく階段の、見えないところに、苦い表情で立ち尽くしたほたるちゃんと、体ではなく心が痛そうに俯いているレナちゃんが、簡単に想像できた。
前へ向き直る。
「ねえ、レナちゃんは、ユウちゃんの差し金だったのかな?」
ほんの二回、首が横に振られた。
「僕は……一ノ瀬にはなんにも言ってないよ。訊かれたけど言ってない。それは誓える。賀川さんにも」
「ふうん?」
「ほんとうだよ。僕はなにも言ってない」
「じゃあ、私、そんなに普段と違うかな? レナちゃんに気づかれちゃうくらい? 自分じゃ普通にしてるつもりだけど」
少し失笑しながらユウちゃんの横を抜ける。その時、彼女が動いて腕を掴もうとしてきた。
けれど、彼女のしようとすることなんて読めてしまう。それだけの馴染みがあるから。
私はほんの少し体をそらすだけで、ユウちゃんを避けた。彼女のが手が空を掻く。切なげな表情に、私は、微笑で答えられる。それだけの馴染みがあるから。
三階まで戻ると、そこにはユウちゃんが待っていた。
私は、後ろ手を組んだまま、上を見上げる。折り返っていく階段の、見えないところに、苦い表情で立ち尽くしたほたるちゃんと、体ではなく心が痛そうに俯いているレナちゃんが、簡単に想像できた。
前へ向き直る。
「ねえ、レナちゃんは、ユウちゃんの差し金だったのかな?」
ほんの二回、首が横に振られた。
「僕は……一ノ瀬にはなんにも言ってないよ。訊かれたけど言ってない。それは誓える。賀川さんにも」
「ふうん?」
「ほんとうだよ。僕はなにも言ってない」
「じゃあ、私、そんなに普段と違うかな? レナちゃんに気づかれちゃうくらい? 自分じゃ普通にしてるつもりだけど」
少し失笑しながらユウちゃんの横を抜ける。その時、彼女が動いて腕を掴もうとしてきた。
けれど、彼女のしようとすることなんて読めてしまう。それだけの馴染みがあるから。
私はほんの少し体をそらすだけで、ユウちゃんを避けた。彼女のが手が空を掻く。切なげな表情に、私は、微笑で答えられる。それだけの馴染みがあるから。