テディベアは裏切らない
人を放っておけないタイプだった。

誰かが孤立していたら、お節介だと思われても、その人のそばにいた。そうすることで、その孤立した誰かが少しずつ心を開いてくれて、そして、クラスにも打ち解けてくれたらと考えていたし、実際に、そうなることがほとんどだった。

だから私は、たとえよそのクラスの人でも、だれかが孤立していたら放っておけなかったし、自分から声をかけていた。同じクラスの人だったら、なおさらに。

そうやって少しずつ、少しずつでも確実に、いろんな人と友達になって、私はたぶん、得意になっていたんだと思う。

自分は人を助けられる。ひとりぼっちから救い出してあげられる。人を、孤独から解放できる。

そんな、勘違いをしたんだと思う。だから私は、自分の善意を他人に押しつけ続けていた。

あの日、あの時まで。

けれど、あの日、あの時を過ぎても、私にはそれしかなかった。

だれかのために、人間ができることなんてない。そうとわかっているのに、私はあれからもずっと、私が殺してしまった彼女のために、なにができるか、なにをすればいいかを考えてきた。

一生、答えの出ない、救済の見つからない、彷徨。

今のところ、私が許されないことこそが、彼女への罪滅ぼしなんだ。

「……そんなの、だれが決めたんだ。相手が望んだのか」

「望まれていたなら、もっと楽でしたよ」

自分で探した。探しても見つからなかった。答えは、示されるものでもなかった。ましてや、望まれるものでも。
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