テディベアは裏切らない
どこへ? 予想は、いくらかついた。ユウちゃんのところか、レナちゃんのところか、それでなかったらほたるちゃんのところか。

けれど、彼が私を引っ張っていったのは、一年三組。私とも、ユウちゃんと壮馬くんのクラスとも違う。

教室のドアが近づいたところで、壮馬くんが私の手を離した。無言のまま顎をしゃくり、室内をそっと覗くように促す。

「――がい。今度は、私も行くから。協力して?」

そこには――

「協力もなにも、私はこのまま黙っとくつもりないし。ねえほたる」

「そうだな。むしろあたしゃ、お節介焼きに火がついたよ」

「ありがとう、二人とも」

高村まひるの、クラスだった。

もう、ほかの生徒も出きってしまった教室内で、レナちゃんとほたるちゃん、そして高村まひるが話していた。

その光景を覗き見た私は、とっさに顔を引っ込めて……すぐ後ろにいた壮馬くんに、捕まった。

「逃げるなよ、小百合」

「……」

「アイツらは、お前のことを話してるんだ」

「私のこと、ですか」

「ああ」

感づかれないように、もう一度室内を見やる。高村まひるは自分の席に座り、レナちゃんはその正面に立ち、ほたるちゃんは横の机に乗っかっていた。

話の中心は、レナちゃんでもほたるちゃんでもなく、高村まひるらしい。

どうして?

なぜ彼女が私のことを、レナちゃんとほたるちゃんに話し、「協力して」なんてお願いしているんだろう。

私の悩み事をどうにか、友人として解消してあげたいと悩む二人に、高村まひるが混ざっている。とても異様な風景に見えた。
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