テディベアは裏切らない
彼女のリストカットは、自信の現れだった。人並み以上の能力を持っていた彼女は、けれどあえて自分を劣化させるために傷をつけていた。けれど、彼女が自分を劣化させるのは、自己防衛の手段だったんだ。私は、心のどこかでそれを知っていたのかもしれない。だから彼女の傷を、壮馬くんに任せた。だから昨日、彼女が手首を切っているのを見ても驚かず、止めもせず、ただ溜め息を漏らした。
彼女の傷の必要性を、知っていたから。
けれど今の自傷は、自信による劣化の確認じゃなくて、劣化による自信の確認になっていた。
レナちゃんの自嘲は、もう一度失笑になる。
「ほんとはさ、昨日小百合の前で切って見せた時も、そんな気持ちがあったわけ」
「……レナ」
「小百合が慌てて、私の心配してさ、どうしたのなにやってるのって騒いで。そしたら小百合の心に漬け込んでさ、話しやすいんじゃないかって思ったのよね」
「レナ」
「でも、あの子ぜんぜん騒がないし、飄々としてるし、あれ? って感じよね。おまけにほたるに見つかるし」
「レナ」
「なんか私にしちゃ珍しい失敗し」
「レナっ!」
彼女の傷の必要性を、知っていたから。
けれど今の自傷は、自信による劣化の確認じゃなくて、劣化による自信の確認になっていた。
レナちゃんの自嘲は、もう一度失笑になる。
「ほんとはさ、昨日小百合の前で切って見せた時も、そんな気持ちがあったわけ」
「……レナ」
「小百合が慌てて、私の心配してさ、どうしたのなにやってるのって騒いで。そしたら小百合の心に漬け込んでさ、話しやすいんじゃないかって思ったのよね」
「レナ」
「でも、あの子ぜんぜん騒がないし、飄々としてるし、あれ? って感じよね。おまけにほたるに見つかるし」
「レナ」
「なんか私にしちゃ珍しい失敗し」
「レナっ!」