テディベアは裏切らない
レナちゃんがほたるちゃんを必要としているのか、ほたるちゃんがレナちゃんを必要としているのか。

レナちゃんにできることなんて、なにもないのに。ほたるちゃんにできることなんて、なにもないのに。

だれも、だれかにできることなんて、なにもないのに。

その時の感情から出任せの言葉ばかりで、実をなすものではないのに。

結局は、人のためになにができたかわからないまま、もしかしたら傷つけてしまったかもしれないのに、自己満足に浸ることになるのに。

「くだんない」

「本当にそう思うか」

「ええ。思いますよ」

壮馬くんに振り返っている間に、二人は立ち上がったらしい。歩き始める背中を私は、同情ともつかない目で見ていた。

そうして、二人の姿が消えて、ほんの一秒もないくらいに、

「覗き見なんてぇ、悪趣味ですね~」

私達が隠れている角に近いほうの入り口から、声がした。言うまでもなく出てきたのは高村まひるで、彼女は、私達がここにいたことをずっと知っていたようだった。ちらりと後ろを振り返ると、壮馬くんは相変わらず目を閉じたまま、顔を仰向けていた。もしかすると、放課後に私を連れてくると、高村まひるに伝えていたのかもしれない。

(はめらたの。それとも、偶然なの)
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