テディベアは裏切らない
「――いい加減、気づいたらどうなのよ」

「っ!?」

突然聞こえた声は、背後から。振り返ると、階段からレナちゃんが、そしてほたるちゃんが下りてきていた。

わけがわからなかったのも、最初の一瞬だけ。

(そうか……)

校舎には階段が三つある。彼女達は向こうの階段から上へあがり、こちらへ回り込んできたんだ。

協力してとまひるちゃんが言っていたのはつまり――

「こういう、ことですか……」

まんまと、はめられた。まひるちゃんに。壮馬くんに。レナちゃんに。ほたるちゃんに。

役者が違うだけで、ちょうど昨日、階段の踊り場に追い詰められた時と同じシチュエーションだった。自然と、苦笑が漏れてしまう。

「性懲りもなく、二日連続なんてどうかと思うな。もういっそ、裁縫部に入っちゃいます、レナちゃん? ね、ほたるちゃんも」

「ごまかさないで、小百合」

「……」

なんだか、私が悪者みたいだった。白状しろ、白状しろと周囲から詰められる悪党。そう考えると、急に笑えた。

「ぷっ。ははっ、あはははは……! なにをごまかさないでって言うんですかレナちゃん! ほたるちゃんも、壮馬くんも、ねえまひるちゃんも! 私になにをごまかさないでって言うんですか!」

順々に顔を見て、私の話を聞かない人達に順序よく教えてあげよう。そうしよう。
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