テディベアは裏切らない
「そうですよ、私は悩みを抱えてますよ? けど、気にしないでって言ってるんです。気にしなくていいよって。きっと解決できないし、解決させたくない。なにより、みんなのためになら」

言葉が、途中で遮られたのは、渇いた音が鳴ったから。渇いた音が鳴ったのは、私の視界がぐらついたから。視界がぐらついたのは……ほたるちゃんが、私の頬を、ひっぱたいたから。

「ごめん、なんか腹立ったからつい」

だれに対するかわからない言い訳に、

「別にいいわ。ほたるがやんなかったら、私がぶってた」

レナちゃんが淡々と返していた。

なにが、腹立ったからですか……。なにが、私がぶってたですか……。

レナちゃんのように倒れはしなかったものの、とても、痛かった。泣いてしまいそうなくらい痛い。

じんじんと熱を持つ頬を押さえながら、なんて反論しようかと悩んで、考えて、言葉を選んでいるうちに、やっぱり、泣きたくなった。

頬を押さえている手の、指の付け根辺りに水が滴って、それがどんどん流れて。

「なにが、したいんですか」

結局、私は反論ではなくて、質問した。
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