テディベアは裏切らない
「どうして……」

「実は、小百合が昔の私そっくりになってるって、友達から聞いてたんだよね」

「……」

「本を読んで、友達の輪にもあんまし入んなくて、おとなしくて……髪とかヘアピンまで真似してるらしいって聞いた時、私、小百合にひどいことしたって思った。だから」

「アナタは、私になったんですか」

「うん。小百合が私に、『返して』って言ってきても、大丈夫なように」

それが、どれだけ苦しい時間の過ごし方なのか、だれよりもアナタが予想できていたはずなのに……?

ああ、その通りだ。

アナタなら、だれより私の苦しさを知っているはず。知らなくても、よかったのに。アナタは充分、私が傷つけてしまったんだから。

それでも、けれど……アナタのその気持ちが嬉しい。

たぶん、私が求めていたものはこういう……。

「……バカ……ですか」

つい呟いた私に、彼女は、昔の私を真似して笑った。

「えへへ。今の私は小百合の真似っ子だからね、それって、小百合がバカって意味だよ?」

「ぷっ。笑えませんね、それ」
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