テディベアは裏切らない
小さく吹き出した瞬間、憑き物が落ちたような気分だった。
レナちゃんが、ほたるちゃんが、まひるちゃんがユウちゃんが私達を見つめ……
壮馬くんが、動いた。
それに気づいた彼女が立ち上がって、横によけた。
私と壮馬くんが正面から向き合って――あの真っ白いテディベアが、差し出される。
「このテディベアは、未完成品だ」
「さっき、聞きました」
「テディベアは、……裏切らない」
「……」
「どれだけ罵倒しようと、どれだけ愛情を注ごうと、乱暴に扱っても、丁寧に扱っても、テディベアは一生、お前に対する態度を変えない」
「だって、生きてませんから」
「そうだな。だけど、そばにいてほしいと思えば、そばにい続けてくれる。変わらず、ずっと。絶対に裏切らない」
感電なんてするはずがないのに、私はテディベアを受け取るのに、すごく時間がかかった。ゆっくり手を伸ばして、指先が触れて、関節がなめらかなお腹を撫でて、掌が脇の下に入って、背中に指が回って、ようやくのようやく、テディベアを受け取る。
レナちゃんが、ほたるちゃんが、まひるちゃんがユウちゃんが私達を見つめ……
壮馬くんが、動いた。
それに気づいた彼女が立ち上がって、横によけた。
私と壮馬くんが正面から向き合って――あの真っ白いテディベアが、差し出される。
「このテディベアは、未完成品だ」
「さっき、聞きました」
「テディベアは、……裏切らない」
「……」
「どれだけ罵倒しようと、どれだけ愛情を注ごうと、乱暴に扱っても、丁寧に扱っても、テディベアは一生、お前に対する態度を変えない」
「だって、生きてませんから」
「そうだな。だけど、そばにいてほしいと思えば、そばにい続けてくれる。変わらず、ずっと。絶対に裏切らない」
感電なんてするはずがないのに、私はテディベアを受け取るのに、すごく時間がかかった。ゆっくり手を伸ばして、指先が触れて、関節がなめらかなお腹を撫でて、掌が脇の下に入って、背中に指が回って、ようやくのようやく、テディベアを受け取る。