テディベアは裏切らない
そして、壮馬くんが一歩、引き下がる。

私の視界が周囲にも向き、順々に、みんなの顔が窺える。

私が今、親友でありたいと思っている二人。

かつて、殺してしまった人と、歪ませてしまった人。

そしてずっと、私を見守り続けてくれた二人。

人は、人のためになにかをすることなんてできないのに。簡単に、思いも寄らないところで失敗し、転落してしまうのに。そしてその罪は、他人の人生を大きく改変してしまうほどなのに。

「みんな、友達でいようって、いうんですね」

テディベアを、強く強く、抱き締める。少し潰してしまって苦しそうだけれど、テディベアはなにも言わない。私が抱き締めたいように抱き締めさせてくれる。

そしてみんな、私と、関わろうとしてくれている。

なにができるか、わからないのに。

「お人好し過ぎます。将来絶対、後悔しますよ」

だから言ってやった。

「でも、しょうがないのでみんなに付き合ってあげます。なんか、私がいなくちゃどうなるか、心配ですから」



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