テディベアは裏切らない




夏休みにおばあちゃんの家へ行くのはやめた。

お母さんに、友達と海に行く約束をしたと報告したら、「あらあら」なんて笑いながら承諾してくれた。

けれど、お父さんとお母さんだけでも、お盆には田舎へ帰るらしい。

つまり数日間必然的に、ひとりで生活しなければいけなくなってしまった。

その間はどうしようか考えていたら、ちょうどジュースのストローを咥えていたほたるちゃんが、急にきょとんとした顔になる。

「なんだ、だったらウチ来ればいいじゃんか」

「え?」

「泊めちゃるよ。夏休みだし、部屋たくさんあるし」

夏休みに入ってちょうど一週間の今日、私達は冷房の効いたファーストフード店でたむろっていた。

左から私、ほたるちゃん、レナちゃんの順番で、ウィンドウの向こうに通りを眺められるカウンターに腰掛けていた。

私は日焼けしないように、なるべく生地は薄めに、だけどツーピースでしっかりガード。

ほたるちゃんは日焼けなんて少しも怖くないのか、健康的にノースリーブとボーイッシュジーンズ。某野球チームのキャップを逆被りしているのが似合ってた。

レナちゃんはおしゃれで、少しだけフリルのついたショートスリーブのシャツに、赤と黒のチェックミニスカート。それに合わせたギンガムチェックのネクタイ。左手首のリストバンドが目立たないように、今はほかにリングが追加されていた。

私はあくまで文系少女、ほたるちゃんはボーイッシュ、レナちゃんはローカルバンドのボーカルみたいな格好だった。ちなみに私はオレンジジュースでほたるちゃんがコーラ、レナちゃんはアイスティーを頼んでいた。

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