ココロノカケラ

必死でそれを支えながら

なるべくゆっくりと

廊下に崩れ落ちさせた。

助けを求めようと美術教室のほうを見た。

けれど、ドアは閉められていた。

それに、

ソウマが、血を出したショックだけでぶっ倒れた、

なんて、

事実を誰にも知らせたくない。


「はあ」


世話の焼ける。

無慈悲に廊下に投げ出した、

ソウマの体を覗き込む。

魅力的な目が閉じられているせいで、

整った顔のデキのよさが良くわかる。


「ソウマ？」


反応なし。

顔を近づけてみた。


「ソウマ？」

と、

ぱっちりと目が開いた。

驚いている。