恋し金魚
私の大好きな人がどうか幸せになれますように



ずっと笑顔でいられますように



お願い………





『はい!もう少しで花火大会が始まりますよー!』




残りあと1分



最後の1分もあなたと一緒に…




「花火……ありがとう……」


「ありがとう 幸くん……」



涙がどうしても流れてしまう。




最後も笑顔で…




笑顔で………



いたいのに。




『カウントダウン始めまーす!せーのっ』



『5』



「幸くん」




『4』




「花火…ありがと…」



『3』




「幸くん…」




『2』




「幸くん…好き……」



『1』


「うん…。愛してる。」




私達は唇を合わせた……




ドーーーーーーンッ!!




幸くん…



私 幸せだったよ



























僕は静かに目を開けると、目の前に彼女はいなかった。




ただ、紫陽花のネックレスが草むらに落ちていた。








「…花火……?」






彼女はいなかった。








涙が一筋、流れて落ちた。




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