空の姫と海の王子
盛り上がって話してた四人
しかし、しばらくして
まるで電池が切れたかのように
パタリと眠りについたのが約一名
「むにゃー……カイトのばかあー…だいすきいぃー……むにゃー……」
「……寝言でいちゃつかないでほしいわ」
『むにゃーって何?』
『んーっ!春の寝顔は最高に可愛いなっ』
それぞれが違う事を言いながら
ハルの髪やら頬をいじっていたが
急に真剣な表情になって
大きな窓の外を睨みつけた
もちろんそこには誰もいない
「……誰?」
ナナが少し低い声で聞くと
勝手に窓が開いて風が入ってくる
風が止んだ時、そこに立っていたのは
漆黒の羽根を持つ天使だった
その姿を見てナナ達は
安心したようにホッと息をついた
「驚かさないでリール。焦ったわよ」
『ごめんね。だけど、急に入ったらあれかなって思って』
『大丈夫だよ。サラにもあなたの事は話してあるから』
ミウがそう言うとサラは頷いた
リールはよかった、と微笑むと
真剣な表情をサラに向けた
『あなたが雷神サラ様ですね。その時の話を詳しく聞かせて欲しいのですが』
『……何故だ?』
『私は今、ハルの影として動いています。情報は多い方がいいので。さすがにゲートにはいけませんし』
リールの真剣さが伝わったのか
サラはミウとナナと顔を見合わせ
しばらく考えた後、静かに頷いた
『分かった。私も後でナナとミウに話そうと思っていたからな。……ゲートでの事を全て言おう。見たことも、聞いたことも』
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