顔のない恋
「いいよ、別に…。」

顔もまともに見られず俯いたままの私に掛けられた軽いトーンの思いがけない言葉。


えっ?

驚いて顔を上げ、ケイタを見ると、笑顔で更に


「全然気にしてないし、
それに俺さ…。」

言いかけて、ふと壁の時計に目をやるケイタ


「やべっ、休憩時間終だぜ。」


私もバッと壁の時計を見る。


わっ!本当だ!

< 78 / 199 >

この作品をシェア

pagetop