学び人夏週間

食事を終え食堂の窓から運動場を眺める。

炎天下、少年たちが楽しそうにサッカーをやっているのが見える。

よく見ると高校生も少数混じっている。

女子は中学、高校とキッパリ別れて集まっている一方で、男子は中高関係なくサッカーを楽しんでいるようだ。

元気だなぁ。

運動なんて、しばらくしてないや。

私は涼しい食堂でお茶をいただきながら、ゆったりした時間を過ごした。



午後の勉強開始。

国語部屋には松野と私しかいない。

数分後、汗びっしょりになった重森が遅れて教室に入ってきた。

「遅い」

無表情でそう言うと、重森は小さな声で「すみませんでした」と言い、申し訳なさそうに席に着いた。

遅れてきたことを悪いとは思っているようだ。

吹き出る額の汗を繰り返し腕で拭っている。

タオルくらい持ってくればいいのに。

荷物を置いた宿泊部屋へ取りに時間もないくらい夢中で遊んでいたのだろう。

これだから男子ってやつは。

松野は彼をチラッとも見ることなく、ひたすら合宿の課題に取り組んでいる。

中学生は5教科、高校生は3教科の課題が準備されているが、彼女は既に今日の分最後の課題に差し掛かっているようだ。

なかなかいいペース。

この調子なら学校の課題とやらも進むだろう。

存分に学んでほしい。

重森の方はというと、3教科目でつまづいている。

集中力が持続しないし、効率が悪い。

サッカーは夢中でやるくせに。

苦戦はしているようだが、これくらいの課題をサラッと終わらせられなければ、高校入試でも苦労するだろう。

「先生」

呼んだのは重森だ。

「どうしたの?」

「そういえばさー、風呂ってみんな一緒に入るの?」

この合宿場には男女別で大浴場があり、私たちはそこを使う予定だ。

「そうよ。講師は後で入るけど」

「そうっすか」

それだけ言って、すぐに課題へと意識を戻す。

何だったんだ、今の質問は。

私は首をかしげ、自分の仕事を始めることにした。



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