学び人夏週間
一方的に気まずい講師のお風呂タイムがやってきた。
合宿中は毎日小谷先生と裸の付き合いをすることになる。
もちろん避けたり攻撃するつもりはないが、この体が私の彼氏に抱きついたのは事実だから、微かに嫌悪を感じてしまう。
でも、それを悟られてはいけない。
彼女と険悪な関係になってしまったら、この合宿は地獄と化す。
だって、あと5日もあるのだ。
「ふー、生き返るー!」
小谷先生は今日も気持ちよさそうに湯船で手足を伸ばす。
「佐々木先生。どう? あの子たち」
「重森と松野ですか?」
「そう。扱いには慣れてきた?」
「はい、なんとか。今日はちょっとだけ、読書に興味を持ってくれました」
「へぇー、すごい。絶対読みたくないって言っちゃうタイプだから、読書感想文は苦労するって思ってた」
ちょくちょく私のことを気にかけてくれる彼女は、きっといい先輩なのだと思う。
屈託のない笑顔は女の私でも可愛いと思う。
しっかりもの好きで単純な俊輔なら……イチコロだ。
ますます不安になってきた。
「ねぇ、佐々木先生」
「は、はいっ!」
「市川くんって、学校ではどんな感じなの?」
市川“くん”。
先生と呼ばないだけで、プライベートでもなにかしら関係を持っているみたい。
小谷先生、私から彼の職場以外での情報を聞き出そうとしているんだ。