月夜にヒトリゴト

暴力

旦那の実家は、お義父さんが手をあげる人だった。
物を投げつける人だった。
そんな父親が嫌いだったといっていた旦那。
でも、何か気に入らないことがあったり、自分の思うとおりにならなかったりしたら、やはり旦那も手を上げる人であった。
殴られたり、突き飛ばされたり、物を投げつけられたり・・・
私は、自分の父親も祖父も、とても穏やかな人だったので、男の人がこんなに力が強く、威圧的で、怖い生き物だとはしらなかった。
結婚して初めて知ったときは、夜も寝れなかったくらい怖かった。

今回の事は私が悪かったんだと思った。
内緒にしてたこと。
子どもの貯金を使っていたこと。

だから全てを話し、あと一年で返済が終るから、もう少し時間を下さいと頼み込んだ。

それでも、旦那のご両親、お兄さんまで、私の実家に怒鳴り込んできて、すごい剣幕だった。

「詫びを入れろ」
「うちの息子の人生をどうするつもりだ」
「目の前で署名捺印をしろ」

この言葉が繰り返され、両親はひたすら頭を下げた。

私は、もう“離婚”しかないな。
と、ある意味、冷静に考えていた。

ここまでしておいて、体裁が悪いからと「離婚はさせない」という旦那と義父母。

離婚を考えていないのなら、もっとほかの方法はなかったのだろうか?
ここまでの仕打ちをしておいて、普通に親戚付き合いをしていくつもりなんだろうか?

私にはその神経が分からなかったが、そのつもりらしかった。

旦那はこのときから、平然とある事を始めるようになった。
いや・・・
このときから始まったのではなく、隠さなくなっただけなんだと思う。

この出来事があってからというもの、ますます、旦那の監視の目は強くなり、支配欲も高まり、私は、蔑まれて日々を過ごしていくのみだった。
< 12 / 44 >

この作品をシェア

pagetop