月夜にヒトリゴト
初恋もどき
「空色の自転車に乗っていたよね」
たった一言で、私の自制心は、掛け金を外してしまった。

ずっと、ずっと、私を思ってくれていた圭亮。
私が唯一、親の言うことよりも、自分の気持ちを優先して買った、大切な自転車を見ていてくれた。
大好きな“空色の自転車”を覚えててくれた。
それが何よりも嬉しかった。

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