月夜にヒトリゴト

電話

この一連の出来事を義母から聞いたであろう、旦那の妹から、何度も電話がかかってきた。
すさまじい勢いでまくし立て、恐ろしい剣幕だった。

「破産なんてみっともない真似をして!」
「西野の名前に泥をぬった」
「顔も見たくない。出て行け」
「他に男がいて、お腹の子も、よその男の子だから、離婚なんて言い出すに決まってる」

こちらの言い分も聞きもしないでまくし立てるので、切って旦那に電話をかけなおしてもらおうと思っても、何度も何度も、ジャンジャン電話はなり続けた。
それが、丸一日続き、疲れ果て、精神的に追い詰められ、ますます具合が悪くなってしまった。

思い込みが激しい人だとは思っていたが、「もうこれで、お終いだな~」と諦めた。
人間には、我慢するにも限界があり、人間関係には、言ってはならない、やってはならない、一線があると思う。
義理とはいえ、姉妹となる私たちだった。
血がつながってないからこその思いやりと、距離が必要だと思って、付き合ってきたが、この出来事で、私の心は崩れてしまった。

今まで生きてきて、辛いこともたくさん経験してきたけど、この出来事ほど、思い出すたびに腹が煮え繰り返るほど、怒りを覚える出来事はない。

この春、同じような目に合った私。
人生で、また、こんな風にこき下ろされるなんて、思いもよらなかった。

人を豹変させてしまう出来事って、そう何度も起きることではない。
それを二度も経験してしまった私。

本当に女性とは怖い生き物だと思わざるおえない。


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