月夜にヒトリゴト
決心
ずべてを話したとき、圭亮は「やり直そう」「君と一緒なら、もっともっと頑張れそうな気がする」そう声をかけてくれた。
私は、いよいよ、旦那に別れを告げるときが来たと思った。

圭亮に救い出して欲しいとか、言葉を鵜呑みにしていて、一緒になれると思っていたのではない。
やはり、私は、地元で暮らしたいのだと、ヒシヒシと感じるようになったからだ。

離れてみて分かる故郷のよさ。
あたたかい人間関係。
穏やかな方言。
突き抜けるように濃い青い空が広がり、山肌はくっきりと緑が鮮やかで、目に飛び込んでくるもの全てがやわらかい。

子ども達は、そういう場所で成長すべきだと考えるようになっていた。

勿論、圭亮とやり直せるのなら・・・
そんな幸せはないとも思ったが、圭亮にそんなことができるだろうか?
子どもと別れられるんだろうか?
ずっとずっと、頭に重くのしかかっていた。

だから、それを望んでいたわけではない。
期待していたわけではない。

それとは逆に、圭亮は、悶々と考えるようになっていたようだ。
私との暮らしをとるためには、家族に出来るだけの支援をしてあげたい。
だから、君との暮らしは、辛いものになるのは目に見えてる。
そんなことも話すようになっていた。

そんなに焦らずともいいのに・・・
なぜ、そう、事を急いているのだろう?
かえって私は、不安になってしまうのだった。
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